敷居の住人は、志村貴子による全56話の青春ラブコメ漫画です。

主人公の千暁とヒロインのキクチナナコは、当時、同年代のキャラクターで、悶々とする思春期の気持や、大人になれそうでなれきれない様子に共感していました。また、二人の恋愛模様と言いますか、友情とも恋心とも言えるような関係にも、少なからず憧れていたように思います。

他にも友人などユニークなキャラクターが登場しますが、一番良い味を出しているのは、彼等を取り巻く大人達です。
中でも私のお気に入りは、千暁に瓜二つの担任、兼田と、千暁のボンクラ親父です。兼田は、普段不真面目というかおちゃらけているというか、子供心を忘れていない大人でありながらも、やはり学校の先生らしく千暁のことを目にかけて、サラッと励ましたり、心配してくれているところが素敵です。
今でも余裕がない時は兼田を思い出して、あんな感じにサラッと生きたいなぁと思い返したりしています。片岡は、ボンクラ親父ですが、千暁に再会してからは、自分を変えようと情けないながらにも頑張っている姿が素敵です。作中で別れた妻ゆり子は彼を、”そこにいるだけで周りから愛されるような人”などと表現していましたが、正にその表現が感じとることができて、そこは作者の描写が秀逸なのだと思います。

全体を通してほのぼの系な漫画のように感じますが、ジャンルとしては、青春ラブコメのようです。個人的には”その後”なんてものがあれば是非見てみたいものですが、読んでみたことのない方は、まずは本作を是非読んで頂ければと思います。