夫、高生浩の愛人達の子供である長男の右近、次男の麻利男、三男の式部(心は女の子)を引き取って育てる高生道子。

恋人ができた加倉井遠野子に置き去りにされた主人公初子は、なんやかんやで道子の家に引き取られ、超個性的な兄弟たちと同居生活を送ることになります。

穏やかで贅沢なお姫様な暮らしが待っているかと思えば、グッチャングッチャンのドッロンドッロンの愛憎劇が繰り広げられます。

復讐、近親相関、マインドコントロール、男性同性愛者や愛人と中々にシリアスなモチーフがちりばめられていますが、秋里和国ワールドは決してシリアスになり過ぎません。

愛人の子供たちは結局道子の復讐劇のコマにされるというエグイ展開ですが、天然ボケで可愛い主人公、イケメンなのに少しおバカさん、イケメンだけどぶっきらぼうで粗野、恋に生きるお気楽な母親など、力が抜けてしまうギャグなどで緊張感を程よくほぐしてくれます。

イケメンなだけではなく、みんな一癖あり、そこがまた愛おしくなってしまうんです。

シリアスなシーンとコメディなシーンのバランスが絶妙です。

何しろ秋里さんの作品に出てくる男性は、本当にイケメンです。

高校生という設定なのは良く分かっているのですが、まぁ、何なのその未成年なのにその色気は!本当に、けしからんです。

そう、高生右近がかっこいいのです!

少女漫画にはヒーローのような存在が不可欠ですが、空飛ぶペンギンのヒーローは高生右近です。

ヒロインのピンチに颯爽と現れて、体を張って助ける。

ああ、わかるわ、わかるわよ。あんなふうにされたら好きになっちゃうし、どんどん加速しちゃいますよね。

まるで自分が右近に助けられているような、右近が私を抱きしめてくれているような、そんな錯覚にさせてくれます。

大人になって読んでも、女の子の気持ちを取り戻させてくれる素敵な作品です。

伊豆で母の遠野子と貧乏な暮らしをしていた初子は、「飛べない鳥のペンギンも空を飛ぶんだ!」と玉の輿に乗ることを夢見ていた女の子。

初子ペンギンは大空に羽ばたいて、めでたしめでたし。

玉の輿よりも素敵な右近から愛を手に入れて、最高なハッピーエンドです。